ズボラな私は、一年中、Tシャツで過ごせるのが嬉しかった。
周りのウブド人は、質素な衣服だった。
私の対象は、男性です。
黄ばんだヨレヨレのTシャツには、穴が空いてることもある。
穴を補修するということは、考えはないのか。
洗濯機やランドリーのなかった時代だが、洗濯はこまめにしているようだ。
ここに、彼らの美意識があるのかな。
火葬儀礼で支給されたTシャツや、観光客からのプレゼントと思われる日本語の書かれたTシャツ姿を見かける。
一部のお洒落さんを除いて、衣服に興味を持つ男性はあまりいないようだった。
普段着は質素だが、オダランの時にはオシャレして参加している。
いっとき、オダランの衣装に、男子専科「ミスター・バリ」のワイシャツが人気だったことがあった。
御多分に洩れず、私も購入していた。
私は、できる限り周りのウブド人と合わせるように心がけている。
外出着は、気楽なTシャツとズボン。
部屋では半ズボンを履くが、肌を見せるのはタブーと聞いていたので、外出するときは長ズボンと決めている。
履物は、もちろんゴム草履。
スコールのあるウブド。
一雨くれば、道路は川になる。
ゴム草履は、必須でしょう。
デンパサールへの買い物や、友人の迎えに空港に行く時やホテルを訪れる時には、靴を履く。
田舎から、都会に出る感覚だったんだろうね。
昭和世代は、これをTPOを言う。
ビザの書き換えでシンガポールに行った時、いつもの癖でゴム草履のまま飛行機に乗ってしまい、さすがに恥ずかしかったのを覚えている。
いっとき、パジャマだったりネグリジェ姿の女子をパサールで見かけたことがあったが、あれはオシャレだったのか。
観光客が多くの訪れるようになって変化したのは、ウブド人がオシャレな服装をするようになっていたこと。
娘さんのミニスカートやショートパンス姿も見かけるようになった。
無頓着な衣服で生活していた私も、あまり貧相な衣服では観光客として失礼だろうと、外出着はできるだけ穴の空いていない色落ちしていないTシャツを着るように心がけるようにした。
日本に帰ったのが冬ということもあって、靴下と靴を履く生活になっていた。
冬が過ぎ、いつの間にか春も終わり、厚着をしなくなった。
今では、生活圏である下石町でのゴミ出し、コンビニ&スーパーでの買い物、喫茶店への徘徊は、部屋着のまま外出だ。
あれっ、ウブドと変わらない生活してるな。
でも、今日からはゴム草履で外出だ!

(写真はウブド滞在中:プリアタンのサテ屋で遭遇した友人家族)